金 堂

 「金堂」の周囲は杉木立で囲まれていて超広角のカメラでないと金堂の全景が撮影できません。
 「法隆寺金堂」のように仏像収蔵庫的な「正堂」だけだったものが、後の時代に礼拝空間の「礼堂」が必要となり、増設する礼堂の場所が崖や傾斜地、池などの制約がある場合はどうしても懸造(かけづくり)形式にせねばなりませんでした。
このような段差のある場所に建築せねばならないほど室生寺は地理的なハンディがありましたがそれが反って日本人好む風雅な金堂となったことでしょう。庇を葺き下ろして礼堂としております。
 懸造の建物には、「東大寺二月堂」「清水寺本堂」「長谷寺本堂」などがあります。ただ、正面に舞台のような大きな縁を持っている場合は「舞台造」とも言われます。
 中世には根本堂、薬師堂、本堂といわれてきましたが真言宗に改宗した頃から灌頂堂が本堂と称されるのをうけて金堂と改称されたのでしょう。
 板敷きの床になる過程の建物で、本来基礎からかさ上げして実施するのが金堂の場合はかさ上げするのではなく地表に板を敷いたような床構造になっております。
 古い案内書では尊像が近くで拝観できると記載されており、以前は外陣まで入れたようであります。現在は東側面から入り廻縁を右繞礼拝できるようなっております。
  天平時代までの土壁と違って総べて「板壁」、垂木は「地角飛角」と日本様式です。
 主要部材は桧ではなく「杉」というのは多雨の地域のことを考えての選択でしょうか。