大師一夜建立五重塔
 室生寺では最古の建造物と言われますがどうして本尊を祀るお堂より先に「五重塔」が建立されたのでしょうか。
 高さは16.2メートルで、屋外の五重塔では我が国最小の塔で、弘法大師の一夜造りの伝えがあります。塔高は通例の五重塔の高さの三分の一で設計されております。下から見上げて目を動かさずに全景が見える姿は女人高野に相応しい塔高といえましょう。
 女人高野ゆえ女性の拝観者が圧倒的に多いと言うことですが、鮮やかな自然と渾然一体となった堂塔が自然の一風景となっており、この室生寺の象徴的な景観が女性にとってたまらない魅力となっているのも要因の一つでしょう。
 真言密教では「多宝塔」ですが、女人高野では五重塔が似合っております。下から見上げる五重塔は何ともいえない風情があります。石段が仏像の裳懸座のように見えます。